:Leichenlinie / GENOCIDE ORGAN

ジェノサイドオルガン(OG)を知ったのは、最初期の頃からではありません。
本作が出た1989年には、OGの存在を知らず、その存在を知ったのは、『電子雑音』のレビューを通じて知ったように思います。
新宿の有名ノイズレコード店であるNED’S(前身のJNRの頃ですが)に行っていたときも、知っておりませんでした。
アムステルダムの有名ノイズレーベルであるStaalplaatが経営するレコード店に行く機会があり、そこで『:The Truth Will Make You Free:』を入手したのが最初でした。
パワーエレクトロニクスに分類されると思いますが、様式美を感じさせるノイズバンドで、欧州のCOLD MEAT INDUSTRYレーベルに近いバンドや、作風は異なりますが、LAIBACHを彷彿させるような美意識があるように思いました。
GOは主催しているTESCO ORGANISATIONから多数の良作を発表する一方、自身の活動も活発に行っており、2003年と2007年には来日し、ライブをおこなっております。
その模様はDVDにも収められております。
最近では2024年にも来日しており、日本のノイズファンにとってはうれしい限りです。
本作はOGのファーストアルバムになりますが、完成度が高く、他のノイズアーティストとの違いが出ております。
パワーエレクトロニクスでありながら、暴力性はあまりなく、様式美に裏打ちされた狂気を私は感じました。
アルバムジャケットも戦争を彷彿させるものが多く、本作も訳すると「死体の列」となり、ジャケット含めて、ショッキングな内容になっております。
私はいずれの日本でのライブも逃しており、映像でしか体験できていないので、是非ともまた来日してライブをおこなってほしいです。