D.O.A. The Third and Final Report of Throbbing Gristle / THROBBING GRISTLE

本来であれば、一番最初に登場すべきなのですが、三番目になってしまいました。
インダストリアルミュージックの始祖であるTHROGGIN GRISTLE(以下、TG)です。
TGの数ある名作の中で、どれを選ぼうか迷いました。
20 Jazz Funk Greatsもいいですし、The Second Annual Reportも重要なアルバムです。
どれをとっても良いのですが、TGに最初に出会ったフルアルバムということで、本作を選びました。
冒頭のI.B.M.から始まり、7曲目のHamburger Ladyでは静謐なる狂気が頂点に達します。
最初に聞いたのは18歳ぐらいの頃で、歌詞はわかっていませんでした…。
ショッキングな言葉や映像で、イメージを植え付ける手法は、いつの時代でも最先端な表現となりますが、TGもまさしくそれを体現していたということでしょう。
アートの範疇ではすでに表現されていたと思いますが、ロックの範疇では初めての試みだったのではないでしょうか。
抽象的な音楽は、クラッシックから現代音楽に引き継がれ、正当な音楽の系譜として語り継がれていきますが、ロックの文脈では開拓者で、そこが始祖となる所以なのでしょう。
TGに初めて出会ったのは、高校生の頃に購入した「The Industrial Records Story」というコンピレーションアルバム。
そこにTGは「We Hate You (Little Girls)」という秀逸なシングルを提供していました。
タイトルも曲も型破りで、WHITEHOUSEやCOM-DOMなどのいわゆるパワーエレクトロニクスのスタイルも、
この曲から始まったのではないか思えてしまいます。
次にであったのが、Disciplineという12インチシングル曲。
名曲と言われていて、探していたところ、中古レコード店でたまたま見つけました。
アジテーションともとれる叫びとビートが延々と続くこの曲は、やはり名曲でした。
12インチの両面が同じ曲ですが、異なる場所でのライブなので、どちらも楽しめます。
激しい曲も静かな曲も、どちらも唯一無二な存在であり、1970年代後半に出現したことが奇跡です。
そんなTHROBBING GRISTLEのリーダーであるGenesis P-Orridgeを初めて生のコンサートで観たのは、1999年にPSYCHIC TVがロイヤルフェスティバルホールで行ったTimes UPというライブパフォーマンスででした。
当時はすでに性転換をしていたと思いますが、中性的なイメージで、晩年のほぼ女性になりきる前の姿でした。
初めてGenesis P-Orridgeを観た感動で、正直なところライブの内容はあまり覚えておりません…。
この時のライブも現在は、YouTubeで見られるようですので、興味のある方は検索してみてください。