Leichenschrei / SPK

インダストリアルミュージックの始祖は、THROBBING GRISTLEに間違いはないですが、その後に続くのが、SPKだと思っています。
SPKと初めて出会ったのが、高校生の頃に買ったインダストリアル音楽の名作コンピレーションアルバム「The Elephant Table Album」に収録されていたDespairという曲です。
タイトルの象の足のテーブルがそのままジャケットになったこのアルバムの中で、特にかっこよかったのが、LustmørdとSPKでした。
音に込められた緊迫感が、肌にダイレクトに伝わってくるわかりました。
その後、札幌のレコード屋で本アルバムを発見し購入。
確か旭川の玉光堂か、札幌の狸小路にあったUKエジソンで購入したと思います。
当時、輸入盤は旭川では玉光堂、札幌ではタワーレコードかUKエジソンで入手しておりました。
玉光堂ではJOY DIVISIONやNIGHTINGALES、AND ALSO THE TREESの入ったコンピなど、今考えると、貴重なものが入荷しておりました。
しかし視聴ができなかったので、ジャケット買い(ジャケットの見た目だけで購入)で購入するしかなく、いつもチャレンジでした…。
一方、UKエジソンでは値段は高かったですが、キャプション(説明書き)が付けられていて、わかりやすかったのを覚えています。
そして本アルバムですが、どの曲も陰鬱な雰囲気が漂い、音を楽しむという感じのアルバムではなく、そこがかえって、思春期の自分にはぴたりと当てはまっていました。
特に10曲目のThe Agony of The Plasmaでは、女の人の叫び声と、グラスの割れる音が延々と続き、当時はいつ聞いても、気持ちが悪くなる音楽ナンバーワンでした。
今はだいぶ克服しましたが…。
SPKに関しては、当時はインターネットもなく、雑誌「フールズメイト」からのわずかな情報しか入手できませんでした。
創刊間もないフールズメイトは、ロックの中でも、ニューウェイブ系の音楽の他、プログレや前衛音楽寄りのリスナー向けの雑誌で、ノイズ音楽に関して、MERZBOWの秋田昌美さんがよく記事を書いていました。
その中で、ニールヒルとグレアムレベルという精神病院の患者と看護師により、SPKが構成されていることを知り、The Agony of The Plasmaが作られたのも納得できた記憶があります。
その後、数年でSMSという日本のレコード会社がSPKの日本版を発売して、度肝を抜かれました。
しかし、その頃、SPK自体はニールヒルがSPKを去り自殺。
シーネンという女性メンバーがボーカルを取り、メタルパーカッションを強調したテクノ系のポップバンドへ変身しました。
その変貌ぶりが意外過ぎて、ノイズファンはSPKのもとを去り、ポップバンドとなったSPKもさほど売れず、しばらくしてSPKは解散となりました。
SPKの名作曲は、冒頭のDespair以外には、Slogan、Mekanoになると思います。
どちらも強烈な印象が残る曲なので、機会があれば聞いてみてください。
Auto-Da-Féという初期SPKの編集版に収録されています。
シーネン加入後のSPKのライブは、YouTubeにアップされているようです。
興味のある方はどうぞ。
Metal Dance またはMachine age VoodooとSPKのワードで検索できます。