Scatology / COIL

コイルは、サイキックTVのピーター・クリストファーソンがジョン・バランスと組んで始めたバンドです。
ピーターはスロビンググリッスルのメンバーでもあったのですが、スロビンググリッスルとサイキックTVの両方とも重ならない感じの音だと思います。
本作はコイルの実質的なファーストアルバムになりますが、楽曲の完成度がとても高いです。
アルバムタイトルやジャケットはセンセーショナルですが、音自体はとても洗練されていると感じました。
このため、過去の経歴からノイズミュージックの枠組みでとらえていた私は、コイルをノイズミュージックとして考えることが難しかったです。
しかし、それはカテゴライズという愚かな考えにとらわれていただけであったと、のちになって、気付くようになりました。
本作の奔放さを例にとると、Virgine Prunesのギャビン・フライデーがボーカルをしている曲があったり、当初のアルバムには含まれていなかったでしが、再発盤にはソフトセルがカバーしてヒットしたTainted Loveのカバーが収められていたりと、その人脈も面白いです。
コイルは、2000年にTIME MACHINEライブと称して、ロンドンのロイヤルフェスティバルホールでコンサートを行っており、運良く、その場で観ることができました。
宇宙服のようなコスチュームで登場したメンバーが、暗いステージの中、機器を操作するという演出も凝っていて、他では見られない不思議な感じのステージでした。
コイルはゲイカルチャーの中で生まれた音楽としても、特異で最先端を常に進んでいることを、このステージからも感じられました。